当商品をご覧くださり誠にありがとうございます。

こちらは、1931年より製造されたエルンスト・ライツ社のスクリューマウント大口径レンズ "Hektor 7.3cm f1.9"です。

”ヘクトール”というのがレンズ設計者であるマックス・ベレーク博士の愛犬の名前であったのはあまりにも有名な逸話ですが、丁寧に工作された高級感のある鏡筒の作りは愛着を感じずにはいられない見事なものです。

“73mm”という焦点距離は近接もそこそこ効き、被写体をじっと見つめたような距離感で使いやすく、ポートレイトにも最適な焦点距離です。

1931年から1946年まで長い期間作られたレンズですが、総生産数は7225本と非常に少ないです。全世界で7225本しか存在しないことを踏まえると、入手困難なのは当たり前かもしれません。

開放では光が滲み、柔らかく湿度あるしっとりとした写り。絞るとシャープさもあり、非常に味わい深いレンズです。戦前、戦後と活躍した日本を代表する写真家の木村伊兵衛氏や、セイケトミオ氏が愛用していたことでも有名です。

全体的にペイントの剥がれやスレ、経年相応の使用感はありますが、ブラックペイントが剥がれた箇所から地金が覗いて、工芸品のような美術品のような素晴らしい風格と存在感があり純粋にモノとして美しいです。

LeicaのBPボディをお持ちでしたらよりお楽しみいただけると思います。

特筆すべき点として、こちらの個体はレンズ硝子自体はヘクトールとしてはかなりクリアだということです。ヘクトールは前玉がせり出しているため、傷が多いものがよく見られるのですが、こちらは写真に影響しない程度のヘアラインが少し見られるのみです。

以下、当商品購入時の説明です。

>>2021年3月16日にレモン社銀座教会堂店にて整備調整済みです。 修理内容はレンズ清掃、絞り羽根油清掃、絞りリング調整、ヘリコイドグリス補完、各部点検です。 取りきれないクモリと気泡があります。また前群周辺に薄くバルサム切れがあります。 コバ剥がれもあります。逆光などの状況でない限り、写りに影響はなさそうです。 絞り環が指標の3.2以降から少し、固くなります。固すぎて回せないほどではありません。

付属品は、社外製前後キャップをおまけとしておつけいたします。どうぞご一考くださいませ。


ボディは参考画像です。

神経質な方は店舗で実物を確認の上ご購入下さい。

（2021年 12月 3日 14時 21分 追加）
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